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ベルリオーズ:交響曲《イタリアのハロルド》 

  • 執筆者の写真: 池田卓夫 Takuo Ikeda
    池田卓夫 Takuo Ikeda
  • 2018年9月14日
  • 読了時間: 1分

更新日:2018年9月15日

レナード・バーンスタイン指揮/フランス国立o/ドナルド・マッキネス(Va)

〈1976〉〔ワーナー・クラシックス〕



バーンスタインは1969年にニューヨーク・フィル音楽監督を辞任、指揮活動の重点を欧州へ移した。70年代末にドイツ・グラモフォンと契約するまでの過度期、仏EMI(現ワーナー)にフランス国立管との録音数点を残した。「ハロルド」「幻想交響曲」は76年6月、それぞれ僅か1日のセッションで収録。前年にミュージカル初演で失敗、夫人と別居して男性との同棲に踏み切るなど、当時の厳しい精神状況を反映したのか、才気煥発で生気に富むニューヨーク全盛期の音楽は影を潜めている。代わりにフランスの楽団の繊細なニュアンス、色彩感を慈しみながら、マッキネスの優れた独奏ともどもハロルドの内面に沈潜する「もう一人のレニー」がいて、芸の懐深さに打たれる。



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